企業取組みの現状と課題


現状


 イノベーションは事業の多角化とも密接に関係します。既存市場の既存商品で事業を行っている企業が、新市場を開拓し新商品を開発する際には、一般にハイリスクを覚悟の上でハイリターンを期待しますが失敗する場合が多いのが現状です。

 

 必ず市場か商品の一方を既存にしておかないと多角化は成功しないのが世の中の常識になっています。そのため、日本企業の大半はローリスクな持続的イノベーションを優先し、ハイリスクな破壊的イノベーションには積極的にチャレンジしていません。


大企業


 売上高の大きなエクセレント企業は、売り手(供給者)優先の市場環境で競争優位なビジネス戦略を立案します。既存商品を買って頂ける主要顧客のニーズを常に把握し、広範な技術力を発揮して既存商品の改良を目的とした持続的イノベーションに取組み、既存市場のニーズにマッチした優れた特長を持つ新商品を創出しています。


中小企業


 売上高がまだ小さく、買い手(顧客)優先の市場環境での競争戦略が必要となります。既存顧客との継続的なビジネス関係を維持することも容易ではなく新規顧客開拓が必須となります。また、得意な技術領域に絞込み、市場への新規参入企業や同業者の代替品に負けない新商品創出を目指して持続的イノベーションに取組んでいます。


課題


 有限な社内経営資源(ヒト、モノ、カネ、知識資産)をどのように活用すれば持続的イノベーションが計画通り遂行できるがポイントとなります。

 

 現実は、社内イノベーション人材のヒトとカネと知識資産の不足が原因で計画が頓挫するケースが多々あります。知識資産の欠落は、当社のGINOD-Bサービスで補うことが可能です。ヒトとカネに関しては、以下の課題を克服する必要があります。

 

① ヒト

 新商品創出には、既存商品の基盤技術を的確に把握し技術開発のターゲットや優先順位を見極め力と新規事業開拓に対する確固たるビジネスマインドを有するイノベーション人材が必要不可欠です。

 企業には、卓越した技術力やビジネス創造力を発揮して、時代にマッチした独創的な商品を創出するオールマイティーな人材も確かに存在します。しかしながら、新商品ビジネスの成功確率は十中八九ではなく千三つと言われる時代です。一個人が年間にチャレンジできる案件数には限度があり、何にフォーカスするかで大きく明暗が分かれます。さらに、企業規模が中堅企業や中小企業への小さくなるほど、技術とビジネスを極めたオールマイティーな人材の数は減少します。

 

② カネ

 新商品開発には、大金が必要です。企業経営トップは、将来の売上げと初期投資資金の「投資対効果」を考慮して、開発スタートの判断を下します。単なる個人的な興味ではなく明日の事業拡大に繋がる開発投資が必要です。しかしながら、たとえ綿密な市場調査に基づきスタートした新商品開発プロジェクトであっても、売上げは開始時点での不確定かつ不明確な要因や不測事態に左右され失敗する場合もあります。